非常用エレベーターの設置基準

床面積に対する非常用エレベーター(昇降機)の設置台数、乗降ロビーの寸法と構造の解説。

◆31mを超える部分にエレベーターの機械室がある場合の免除規定

エレベーターの機械室部分が31メートルを超えてしまうケース。

この場合、31メートルを超えてはいるが非常用エレベーターを設置する必要があるだろうか?

ここでは、建築基準法129条13の2によって定められている「免除規定」の確認と装飾塔・階段室・物見塔・屋窓の「緩和措置」について確認しておくとしよう。

1.装飾塔・階段室・物見塔・屋窓の緩和措置
2.100㎡防火区画の特例
3.床面積500㎡以下も免除

◆装飾塔・階段室・物見塔・屋窓の緩和措置

※答え:必要ない(緩和措置)

エレベーターの機械室が屋上にあり31メートルを超えてしまう場合。

居室であっても機械室の場合は建築基準法129条13の2によって免除規定が定められている為、非常用エレベーターの設置義務は生じない。

この他、「装飾塔、階段室、物見塔、屋窓」などに関しても緩和措置がある為、設置義務が生じない。

◆100㎡防火区画の特例

31メートルを超える部分のフロアの床面積が「100㎡ごとに防火区画されている場合」も非常用エレベーターの設置義務が免除される。

防火区画とは耐火構造の建築資材で覆った区画のことで100㎡ごとに区画されている場合は適用となる。

※Point!100㎡防火区画も免除対象

但し、この防火区画の適用は31メートルを超えるフロアの階数が4フロア分までの場合に限る。

もし31メートルを越える部分のフロアが5階以上ある場合は100㎡防火区画であっても免除規定は適用されない。

◆床面積500㎡以下も免除

31メートルを超える部分の全フロアがそれぞれ500㎡以下である場合も免除規定が適用となる。

この免除規定は「各階全てが500㎡以下」であることが条件。

また、主要構造部分が不燃材で構造されており、不燃性の物品の保管などを行うだけのフロアの場合も免除規定が適用となるケースもあるので覚えておこう。