消防法に基づくスプリンクラー設備・散水障害の解説

消防法に基づくスプリンクラー設備の設置基準、設置場所の規定、広がる散水障害と対策の解説。

◆スプリンクラー設備にはどのような種類があるの?

 スプリンクラー設備は煙探知機との連動によって火災を自動的にシステムで認識し自動的に消火活動を行うための設備である。

スプリンクラーが普及してきた背景には、火災による死亡比率の原因で最も多い逃げ遅れによる原因の対策が必要であるため。

但し建築物の規模や性質はそれぞれ異なる為、様々な種類のスプリンクラー設備が開発されている。

◆消防庁発表の火災による死亡率の統計データ

スプリンクラー設備を設置する目的は、万が一火災が発生してしまった際にしっかりと
●自動的に火災を消化する事
 が主な目的じゃ。
 この自動的という観点から見ると消火器の使用などによる人為的な消火活動とスプリンクラー設備による消火活動は性質が明確に異なる事がわかるのぉ。
 消防庁が発表したデータによると
●住宅火災によって死者が出るケースのおよそ6割程度
 が火災の際の「逃げ遅れ」によるものであると実際に公表しておる。

※火災によって死亡するケースのおよそ6割は火災の炎から逃げ遅れてしまった事が原因

また火災は寝煙草などの火の消し忘れなどによって就寝中に発生しているケースも非常に多い事から、スプリンクラー設備のように人的な操作や消火活動を必要としない自動消火設備の普及率は今後ますます高まってくる事が予想されるのぉ。

◆スプリンクラーの種類は用途によって異なる

スプリンクラー設備は、商業施設用や住宅用など様々な種類のスプリンクラーが開発されておる。

一般的に最も広く普及しているものは、閉鎖式ヘッド構造による湿式スプリンクラーと呼ばれるものじゃ。

◆閉鎖式ヘッドとは?

閉鎖式ヘッドとは、ヘッドの放水口にあたる部分を可溶栓で塞いでいるものじゃ。
※可溶栓=熱によって解ける素材で作られた栓
 代表的な閉鎖式ヘッド構造による湿式スプリンクラー以外では

☆予作動式スプリンクラー
☆開放式スプリンクラー

などのスプリンクラーの種類があり、用途別によって使用される種類が異なっておるのじゃよ。