消防法に基づくスプリンクラー設備・散水障害の解説

消防法に基づくスプリンクラー設備の設置基準、設置場所の規定、広がる散水障害と対策の解説。

◆散水障害を防止する予作動式スプリンクラー

 現在も尚多発しているスプリンクラー設備の誤作動による散水障害。この散水障害を防止するために、水による被害を食い止めたいエリアに関しては手動式のスプリンクラーを設置するオーナーが増えた時期もあった。しかし近年は火災警報器や煙感知器による火災信号とスプリンクラーヘッドの熱感知システムを連動させた予作動式スプリンクラー設備の普及により散水障害の発症率を徐々に低下させる事に成功しはじめている。また更に精度の高いスプリンクラー設備の開発の研究も行われており、今後の技術開発が大きく期待されている。

◆スプリンクラーの散水障害について

スプリンクラーの散水障害は想像以上に深刻なものが多い。

しかも残念ながら我々が思っている以上に頻繁に多発しているのが現状なのじゃ。

機械設備を多く配備している火災の危険性が高いフロアーや居室などでスプリンクラー設備が誤作動を招いた場合は、その被害額もやはり相応に大きくなってしまう訳じゃな。

尚、スプリンクラーの散水障害を発症する主な原因としてあげられるのが

☆不注意によるヘッドの破損
☆地震災害などによるヘッドの破損

といずれもスプリンクラーヘッド部分の破損による散水障害の発生が主な原因となっておるがポイントじゃ。

これら散水障害への抜本的な対策としては手動式への切り替えなどが考えられるじゃが、自動消火設備としての本来の役割を果たせなくなるスプリンクラー設備というのはやはりそれもまた問題と言えるのお。

◆散水障害対策の予作動式スプリンクラー

スプリンクラーの散水障害はスプリンクラーヘッド部分の破損による散水の発生が主な原因となっておるのは前項で解説したとおりじゃ。

その為、スプリンクラーを導入したオーナーが、手動式設備への変更を検討しておるケースが多いのも事実なのじゃ。

しかし、そもそもスプリンクラーは自動で消化活動を行う消防設備じゃから、これらを手動式に変えてしまっては本来の機能を失ってしまう事になる。

このような散水障害への対策として近年大幅に普及を果たしたのが
●予作動式スプリンクラー
 と呼ばれる設備じゃ。

この予作動式スプリンクラーは、従来のヘッドの破損だけでは散水は開始されず、

☆ヘッド
☆火災感知器

の2点の火災信号が発信された場合のみ散水が開始される仕組みとなっておる。

これらの予作動式スプリンクラーの普及の背景には、消防法の改正に伴う

☆火災警報器
☆煙感知器

などの設置義務の強化が背景にある点も見逃せないポイントじゃ。