屋内消火栓の設置場所・警戒区域の規定の解説

消防法に基づく屋内に設置する消火栓設備の設置基準、消火栓標識の設置場所の規定、ホースの耐用年数の解説。

◆屋内消火栓と屋外消火栓の主な違い

消火栓は大きく分類すると屋内消火栓と屋外消火栓の二種類の消火栓が存在する。

どちらの消火栓も大型商業施設や大型家電製品店などの普及により一度はどこかで目にしたことがあるはずじゃ。

この2種類の消火栓設備は「消火活動」という目的が同様であることには変わりはないが、この2種類の消火栓は「用途」「場所」、によって設置基準や設置規程が異なり「放水圧力」「放水量」などの消火能力も異なっておる。

ここではまず屋内消火栓と屋外消火栓の違いについて解説していくことにしよう。

◆消防隊員以外も使用する屋内消火栓

消火栓とは、火災などが発生した際に消火活動を円滑に行う為に必要な水の供給が可能となるように事前に消防法の規定によって設置される消防設備のことじゃ。

消火栓には、屋外の地中や道路の脇に設置される屋外消火栓と、消防法の規定によって防火対象物に指定される建築物内に設置される屋内消火栓の2種類の消火栓がある。

この2種類の屋内用と屋外用の消火栓の設置基準が大きく異なる点の最大のポイントは、その使用者と考えても良い。

屋外消火栓は建築物の外部に設置される消火栓設備で大型の建築物や商業施設等に設置される消火設備じゃ。

この屋外消火栓は火災発生時に在住者が外部からの初期消火活動に使用するケースもあるが、実際に屋外消火栓設備を使用する大半のケースは消防隊員が消防活動を行う際に利用するケースが大半じゃ。

その為、消防隊員の消防活動に支障をきたさないように様々な配慮がなされた設置基準が定められている。

対して屋内消火栓の場合は、実際の火災時に消防隊員が到着するまでの時間に消防隊員以外の一般人が消火栓設備を使用するケースも十分考えられる。

その為、より簡易的に消火活動が行える設備構成や、わかりやすい消火栓の位置の表示など、屋外消火栓とはまた別の配慮がなされている点が大きな違いと言えるのぉ。

◆消火能力・放水量の高い屋外消火栓設備は扱いが難しい。

屋内消火栓と屋外消火栓の主な違いは、消火設備の使用者が異なる点がポイントにあることは前述してきたとおりじゃ。

尚、消火栓に求められる消火能力・放水量の基準に関しても屋内消火栓と屋外消火栓では最低基準ラインが大きく異なっておる。

主に消防隊員が使用する屋外消火栓設備の放水能力は毎分350リットル以上の放水量、そして0.25MPa以上の放水圧力を保持することが条件となっておる。

対して屋内消火栓設備は消火能力の高い1号消火栓であっても毎分130リットル以上の放水量、そして0.17MPa~0.7MPaの放水圧力となっておることからも屋外消火栓設備が高い消火能力を持つ消火設備であることがわかるのぉ。

屋内消火栓と屋外消火栓の放水量の違い【画像】

屋外消火栓設備の使用に関しては放水量、放水圧力が高く扱いが難しい事からも、使用の際には一定の訓練を受ける必要がある。

その為、現実的に実際に屋外消火栓設備を使用しているのは消防隊員が大半となっているという訳じゃな。