屋内消火栓の設置場所及び配置に関する規定は消防法によって、警戒区域半径によって配置規定が決められておるのは1号消火栓の警戒区域判定の項でチェックしてきた通りじゃ。
尚、2号消火栓の警戒区域半径は放水性能・警戒区域半径・ノズル口径の比較一覧表の項で解説しておる通り有効範囲が半径15M以内と定められておる。
2号消火栓の設置に関しては、設置対象となる防火対象物のフロアー内全てを水平距離で15M以下になる位置に設置をしなければいけない事になっておる。
1号消火栓は25Mであった点を考慮すると有効範囲となる半径が10M、直径では20Mも短くなる事になるのぉ。これは設計段階ではかなり大きな違いに感じるじゃろう。
尚、消防法では2号消火栓の設置に関して以下の能力を保持する事を規定に定めておるのでチェックしておくことじゃ。
【2号消火栓の設置規定~消防法~】
★水源の水量は、屋内消火栓の設置個数(2を超える時には2とする)に、1.2立方メートルを乗じた量以上の量とすること
★設置階においてすべての消火栓(2を超える時には2とする)を同時に使用した時に、ノズルの先端放水圧力2.5MPa以上かつ、放水量60L/min以上の性能とすること
★加圧送水装置及び非常電源については従来通りであること
2号消火栓は1号消火栓と比較すると、放水性能はやや劣る部分がある。
しかし一般人でも扱いやすいように設備の使用方法の簡易化、軽量化がなされている点がポイントじゃ。
ここではもしも火災が発生してしまった際の豆知識として2号消火栓の使用方法・使い方についてチェックしておこう。
火災発生時の2号消火栓の使用方法について、ここではひとつずつ手順を確認しておく。
初心者でも順番どおり行えば放水ができる為、もしもの時の為に覚えておいても損はないじゃろう。
尚、屋内消火栓の格納箱の周りや、扉を開けた裏面に「使用法標識板」が貼ってあるケースも多いため、消火活動の際には慌てずに手順どおり放水を行うよう心がけることじゃ。
もし実際に消火活動を実践中に火の勢いが弱まらない、もしくは煙が多く息苦しいなどの場合は消火活動よりも避難を最優先することが何よりも大切じゃ。
【2号消火栓の使い方・手順表】 | |
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手順 | 使用方法・使い方の解説 |
① | 2号消火栓格納箱の扉を開ける |
② | ホースのノズルを取り外す(現在の2号消火栓はノズルを外すとポンプの起動が自動的に始まる) |
③ | 消火栓格納箱内の開閉弁を開く |
④ | ホースをやや多めに格納箱から出しておく |
⑤ | ホースの筒先を火元に向け姿勢を保持する |
⑥ | ノズルの開栓弁を開放し放水開始 |
2号消火栓の基本的な使い方、使用方法は上記の手順表に記載したとおりの手順で操作を行うだけでOKじゃ。
2号消火栓は女性や高齢者などの一般人でも使用しやすいように簡易的に使用できる工夫が施されておる。
ノズルを消火栓ボックスから取り外すだけで加圧送水装置が起動する為、実際に使用者が行う手順は、開閉弁の開放を行う程度ですぐに消火活動が開始できるようになっておる。
尚、実際に消火活動を行う際に覚えておきたいポイントとしては、まずは開閉弁の放水圧力がしっかり働くように開閉弁を全開まで開いておくこと。
またホースのねじれや引っ掛かりがあるとホースが暴れたり、ノズルへ大きな反動が加わる為、放水を開始する前にホースのねじれ等の確認をしっかり行い落ち着いて消火活動を行うことがポイントとなるのぉ。